vol.144- ミネラルとビタミンによるデトックス

要点のまとめ

  • 解毒と排出に作用するビタミンとミネラルがある
  • 必須ミネラルは多くの食品から摂ることがリスク回避にもつながる
  • ビタミンには抗酸化作用と有害ミネラルの分解・解毒作用がある

ビタミンとミネラルでデトックス

有害ミネラルには、それぞれに対応して解毒・排出をするビタミン、ミネラルがある。これらの栄養成分を豊富に摂ることによって、解毒・排出の能力を高めることができる。

有害ミネラルを解毒・排出する作用がある必須ミネラルは、穀類、豆類、種実類、野菜類、果物類、藻類、肉類、魚介類などに多く含まれる。

必須ミネラルを摂るためには、含有量が多いものを摂るのが基本とはなるが、1種類の食品を摂った場合には、もしも汚染によって有害ミネラルが含まれていた場合には、高濃度の有害ミネラルが入ってくることにもなる。

そこで、できるだけ多くの食品を食べることがすすめられる。少しずつ摂取する必須ミネラルを重ねていくことで、有害ミネラルを取り込むリスクを減らすことができる。

ビタミンには活性酸素を消去する抗酸化作用があるが、このほかに肝機能を高め、有害ミネラルを分解・解毒する作用がある。ビタミンCは肝臓で有害物質を解毒する酵素(P450)の働きを高める。ビタミンDとビタミンEには水銀をはじめとした有害ミネラルを解毒する作用がある。

有害ミネラルを解毒・排出する栄養成分

カドミウム(Cd:cadmium)

ミネラル:セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄
ビタミン:ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE

水銀(Hg:hydrargyrum)

ミネラル:セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム
ビタミン:ビタミンD、ビタミンE

鉛(Pb:plumbum)

ミネラル:セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄
ビタミン:ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE

ヒ素(As:arsenic)

ミネラル:セレン、亜鉛、マグネシウム、カルシウム
ビタミン:ビタミンD、ビタミンE

アルミニウム(Al:aluminum)

ミネラル:マグネシウム、カルシウム
ビタミン:ビタミンD

※ベリリウムについては、有害ミネラルを解毒・排出する栄養成分は、まだ明確にはされていない。

解毒・排出の作用がある必須ミネラルと含有食品

セレン(Se:selenium)

強い抗酸化作用があるミネラルで、亜鉛、マグネシウムとともに解毒作用を発揮する。

穀類:小麦胚芽、発芽玄米
種実類:ブラジルナッツ、ごま
魚介類:さくらえび、あゆ、さわら、ししゃも、あじ、いわし、あさり、帆立貝
肉類:ラム肉、鶏ササミ
卵類:鶏卵、うずら卵

亜鉛(Zn:zinc)

200種類以上の酵素の補酵素となるミネラルで、細胞の再生に欠かせない。

穀類:小麦胚芽、ライ麦
豆類:大豆、大豆製品(納豆、豆腐、きなこ)、ココア
種実類:松の実、ごま、カシューナッツ、アーモンド、ピーナッツ
きのこ類:干ししいたけ、まつたけ、マッシュルーム、まいたけ
藻類:焼きのり、わかめ、青のり、昆布
魚介類:かき、たらばがに、しゃこ、煮干し、たたみいわし帆立貝、ホタルイカ
肉類:豚レバー、牛肉、コンビーフ、ローストビーフ、マトン、鶏肉
卵類:卵黄、たらこ、すじこ、いくら

マグネシウム(Mg:magnesium)

300種類以上の酵素の補酵素となるミネラルで、代謝反応に欠かせない。

穀類:小麦胚芽、オートミール、アマランサス、そば
豆類:大豆、大豆製品(納豆、豆腐、きなこ)
種実類:かぼちゃの種、ごま、アーモンド、松の実、カシューナッツ、くるみ
野菜類:とうがらし、切干大根、ほうれん草、枝豆、しそ、バジル
果実類:プルーン、アボカド、バナナ、パパイヤ、ラズベリー
藻類:青のり、わかめ、焼きのり、ひじき、昆布
魚介類:なまこ、しらす干し、あさり、いわし、いくら、桜えび

カルシウム(Ca:calcium)

体内で最も多く存在するミネラルだが、摂取量は最も不足している。心臓・血管・筋肉・腸管の収縮、神経反応、ホルモン分泌に関与している。

乳製品:チーズ、牛乳、アイスクリーム、ヨーグルト
豆類:大豆、大豆製品(納豆、豆腐、きなこ)
種実類:ごま、アーモンド、ピスタツオ、くるみ
野菜類:切干大根、パセリ、モロヘイヤ、バジル、しそ、小松菜、ブロッコリー
きのこ類:きくらげ、干ししいたけ
藻類:ひじき、わかめ、昆布、青のり、焼きのり、寒天
魚介類:桜えび、しらす干し、鮎、わかさぎ、ししゃも、あさり

鉄(Fe:ferrum)

赤血球のヘモグロビン(血色素)に多く存在し、酸素の運搬、細胞代謝、エネルギー代謝に関与している。

豆類:大豆、大豆製品(納豆、豆腐、きなこ)、おたふく豆
種実類:ごま、松の実、カシューナッツ、ピスタチオ、アーモンド
野菜類:切干大根、パセリ、とうがらし、枝豆、サラダ菜、大根、小松菜
藻類:青のり、ひじき、きくらげ、焼きのり、寒天
魚介類:鮎、しじみ、あか貝、鰯、あさり、ししゃも、わかさぎ、いわし、みる貝
肉類:豚レバー、鶏レバー、牛肉、鴨肉、コンビーフ、豚肉
卵類:卵黄、すじこ、いくら

解毒・排出の作用があるビタミンと含有食品

ビタミンC

抗酸化作用がある水溶性ビタミンで、酸化したビタミンEの再生機能がある。

柑橘類:レモン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、かぼす、はっさく
果実類:柿、キウイフルーツ、いちご、パパイヤ、ライチ、パインアップル、メロン
野菜類:ピーマン、パセリ、キャベツ、ししとうがらし、ブロッコリー、カロフラワー
いも類:さつまいも、ジャガイモ
海藻類:焼きのり、青のり、わかめ、昆布

ビタミンD

カルシウムの吸収を高め、血圧調整などの作用がある脂溶性ビタミンで、免疫反応を高める働きもある。

魚介類:あんこう肝、しらす干し、鰯、秋刀魚、鯖、鮭、うなぎ、すじこ、いくら
きのこ:干ししいたけ、きくらげ

ビタミンE

強い抗酸化作用がある脂溶性ビタミンで、細胞膜を保護する働きがある。

油脂類:ひまわり油、コーン油、オリーブ油、キャノーラ油、大豆油
種実類:アーモンド、松の実、ピーナッツ、大豆、ピスタチオ、くるみ
卵類:すじこ、いくら、キャビア、たらこ、鶏卵
魚介類:鮎、鰯、うなぎ、鯛、ほたるいか、はまち、かに、うに、
野菜類:大根葉、かぼちゃ、ピーマン、菊の花、しそ、とうがらし

用語解説

P450

肝臓で解毒を行う水酸化酵素のシトクロムP450の略称。肝臓には、それぞれの有害物質に対応する分解酵素があるが、遺伝によって作られるため、新たな有害物質には対応できない。新たな酵素が作られるまで広く対応する酵素として知られている。

Q&Aコーナー

安全な食品ならミネラルの含有量が多いものを食べればよいのではないですか?

必須ミネラルは種類によって対応できる有害ミネラルが異なっているので、多くの種類の食品を食べて、いろいろな種類の必須ミネラルを摂ることが大切です。解毒作用があるビタミンC、ビタミンD、ビタミンEは、解毒作用がある必須ミネラルと一緒に摂ると解毒作用が高まるので、これも多くの食品から摂るようにします。

魚を多く食べる人は水銀が多いというのは本当ですか?

水銀は水の中に多く含まれていますが、川よりも海の中に多いので、海で摂れる魚のほうが多くなっています。青魚の油の中には有害物質が入り込みやすいのですが、青魚に含まれるビタミンDとビタミンEには水銀の解毒を進める作用があるので、青魚のほうが安全性は高いといえます。

野菜を多く食べれば肝臓の働きをよくしてデトックス効果が高まりますか?

必須ミネラルは体内の有害ミネラルを分解するのに必要ですが、有害ミネラルの分解のために必須ミネラルが減るのは植物も同じことです。汚染された土壌や農薬が多く使用された野菜は、その中のミネラルが減っています。安心できる環境と製法で育てられた野菜を食べることで肝臓の働きを高めて、有害物質の分解を進めていくことができます。

ビタミンCが入っている飲料を飲めば肝臓での解毒が進められますか?

ペットボトルや缶入りの緑茶やジュースの表示を見ると、成分名にビタミンCと書かれたものがあります。しかし、これを飲めばビタミンCが補給できるというものではありません。ビタミンCは抗酸化力が高く、お茶やジュースが酸化しないように使われているもので、製造・流通の過程で酸化防止のために使われているので、飲むときには大きく減っています。

《監修:NPO法人日本メディカルダイエット支援機構》
《イラスト:日暮ろこ子》

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