夕食前のシャワーの活用とは?

熱めのシャワーを夕食前に
この記事の概要
  • 10分間のシャワー温浴で交感神経に切り換わる
  • 熱めのシャワーのあとの食事で脂肪の合成と蓄積が抑えられる
  • ぬるめの入浴でリラックスしたあとに熱めのシャワーを浴びる

42℃以上の熱めのお湯で身体を温めると自律神経は交感神経に切り換わって、10分ほど入浴するだけで100kcal程度のエネルギーを消費することができる。

しかし、高温での入浴は脳が温まりすぎて、のぼせる原因ともなる。そこで、シャワーの活用がすすめられる。

熱めのシャワーを10分ほど浴びると、その後は10~20分は交感神経の働きが盛んな状態が保たれる。この状態では、肝臓での脂肪の合成と脂肪細胞への蓄積を進めるインスリンの分泌が抑えられるので、体脂肪の蓄積を抑えることができる。

そのためには、夕食の直前の時間帯に熱めのシャワーを浴びるのが効果的である。ぬるめの入浴によって自律神経の副交感神経の働きを高めて心身ともにリラックスしたあとに、熱めのシャワーを浴びることで交感神経に切り換えて、体脂肪をコントロールできるようになる。

夕食前に熱めのシャワーを浴びてインスリンの分泌量をコントロールするのは、もともとは運動選手の体脂肪コントロールなどに有効に使われる方法。

糖尿病患者の場合にはインスリンの分泌機能が低下しているために、食後の血糖値が下がりにくくなっている。効果がある方法ではあるものの、糖尿病患者や血糖値が高めの糖尿病予備群では専門家の指導のもとに実施する必要がある。

用語の解説

糖尿病予備群

糖尿病ではないものの、血糖値が高い状態が継続しているために、糖尿病になる可能性が高い人たちを指す。国民健康・栄養調査の結果によると、成人の4人に1人が予備群となっている。

よくある質問

糖尿病の人は食事の前に熱めのシャワーを浴びてはいけないのですか?

糖尿病や予備群の人はインスリンが分泌されにくい人が多いので、交感神経に切り換えてから食事をすると、さらにインスリンの分泌量が減って、血糖値が大きく上昇することにもなります。インスリンの分泌量を増やさなければならない人は、ぬるめのお湯に入って、リラックスして副交感神経に切り換えてから食事をするようにします。

のぼせなかったら、お湯に長く入っていてもよいですか?

同じように熱めのお湯に入っていても、のぼせにくい人もいます。長くつかっていれば、それだけ交感神経に切り換わりやすく、インスリンの分泌量も抑えられます。また、長くつかっていることで身体が温まり、脂肪燃焼も進んでいくものの、無理をして倒れたりしないように適度なところで切り上げるようにしたいものです。

シャワーを浴びたあと、すぐに食事をしないといけませんか?

熱めのシャワーによる交感神経への切り換えは20分ほどしか続きません。できるだけ早く食べたほうが効果は高まります。入浴から食事までに時間があいてしまったら、インスリンが分泌される食事を始めて30分から1時間の間に、もう一度シャワー浴びて、交感神経に切り換えたらよいでしょう。

お風呂に入ったままで食事をしたらインスリンの分泌を大きく抑えることができますか?

熱めのお湯につかったままなら、ずっと交感神経に切り換わったままなので、インスリンの分泌量を減らすことはできます。ただ、入浴中は水圧で胃が圧迫されて食べにくく、血流が進んだ分だけ胃液が余分に出てしまいます。胃液の分泌を減らすことも交感神経に切り換える目的なので、逆効果になります。

監修者
内閣府認証 NPO法人日本メディカルダイエット支援機構
イラスト
日暮ろこ子
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